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自動車は軽くても 重さは500キロ以上にはなる。
それを360mで走らせようとしたのだから、驚くべきことだ。 ジムニーが登場したのは1970年のことだったが、私は、その年の冬、ある雑誌に試乗記事を書くため、ジムニー360に乗って軽井沢に行ったことがある。
願ったとおり雪が降ってきたが、ジムニーはそれをものともせず、碓氷峠を粛々と登っていった。 当時のジムニーはホロ仕様で、寒風がスースー吹き込んでくる乱暴なクルマであったが、それにしてもすごいクルマだなと思った。
これに対して、当時、ランクルとともに国産唯一といってもいい4輪駆動車のNパトロールは、情けないクルマだった。 大排気量のディーゼルエンジンだったが、アクセルをいっぱいに踏んでも、110hから120キロしか出ない。
テストは信州の車山高原でおこなったのだが、そこまで高速道路で行くのがイヤになってしまうのである。 車山について、いざ雪道を走ると、これが意気地がない。
ボディは昔ながらのホロ付きのオープン、3ドアのパネルバン、パノラミックルーフという屋根の高いバンの3種類。 私はジムニーのオープンは、依然として若者のクルマとしてカッコいいと思う。
走ればうるさいし、乗り心地もいたって硬いクルマだが、ヘヴィデューティとしての目的をきちんと達成してくれる。 ジムニーは、道路閉鎖さえなければ、まずたいていのところは走っていけるクルマである。
経験からすると、3mぐらいの積雪なら平気である。 ほんとうにすごいクルマだ。
ジムニーには、シエラという兄弟分がある。 これはジムニーのボディに1.34のエンジンを載せたもので、パジェロ・ジュミニァと同じ考え方のクルマだ。

全長3510m全幅1545全高1670ホイールベース2030mと、ジムニーより多少大きくなっているが、基本的にはジムニーのボディと同じである。 この1.34の4気筒、SOHCエンジンは8mを発生する。
クルマの価格はジムニーよりは高いが、燃費のことを考えると、こちらのほうがちょっと得かなと思う。 載せてしまうところが、S社のすごいところだ。
エスクードには、RAV4やCR‐Vなど、競争相手が多いが、それでもエスクードはしっかりと自分のマーケットを守っている。 どんなに競争相手がライバルつぶしのクルマを出してこようが、けっして自分の立場を見失わない。
それはS社が、ジムニーに見られるように、あくまで実用的なクルマをつくりつづけているからだ。 そこがS社やD社といったメーカーのすごいところである。
この2つのメーカーは、ダサイとか、カッコ悪いことを少しも恐れていない。 そこいらへんが、Nあたりと違うところである。
これまでわがもの顔で道路を占領してきたパジェロやビッグホーン、ランクルといった大型SUVは、いま旗色が悪い。 何よりも、あの種のクルマのどけどけ、俺様が行くんだから、どけといった粗暴なイメージが、いまの日本人から嫌われているのである。
そしてSUVの流れは、エスクードやRAV4、あるいはCRlVといった、軽いクルマのほうにある。 そのほうがはるかに都会的で、カッコよいイメージなのである。
それはすごく面白いことだ。 クルマの持つイメージは、これからますます自動車ビジネスで重要なファクターになっていくのではなかろうか。

エスクードは22のV6、あるいは1.64の4気筒エンジンを縦置きにする、パートタイム4輪駆動車である。 S社というメーカーがすごいのは、このクルマに24のV6を新しくつくって与えていることだ。
これはオートバイメーカーの特徴とでもいうべきもので、エンジンの開発費を安くおさえてパッとつくってしまう。 もちろんS社といえど、エンジンの生産設備を安くつくれるわけではないのだが。
ボディはショートホイールベースの3ドアとコンヴァーティブル、ノマドと称するロングホイールベースの5ドアがある。 ノマドはアメリカの高率関税逃れのために作られた4ドア版である。
ツウィンカムは、4000回転で最大トルクを発生するスポーツエンジンである。 けっしてこの種のクルマの用途に向いているとはいえないが、それにしても、誰に買ってもらおうというわけでもなく、こういうエンジンは盗難率もいちばん高いのだそうだ。
なるほどこのデザインは、いかにもフランス人好みではある。 ほんとうにしやれていて、スポーティなクルマだ。
4のために、まったく新しく、エンジン横置き用のフロァパネルを設計した。 そういう意味では、T社はRVの用意が万全なのである。
H社のように手持ちのフロアパネルでRVをつくってしまうのとはワケが違う。 ま、そこが力の差といえば差なのだが。
RAV4で惜しいのは24エンジンだということだ。 現在、続々と登場してきたRVは、みな24エンジンを積んでいる。
ユーザーもそれしかなければ、それを買うしかない。 ここのあたりRAV4も1.84エンジンを載せるなど、社会性への配慮が欲しかったところだ。

ライバルはエスクードあたりだろうが、この種のクルマの成り立ちとしては、エスクードのほうが本格的だ。 RAV4がFFベースであるのに対して、エスクードはエンジン縦置き、後輪駆動ベースの4輪駆動である。
本来、SUVというものは、そうでないと成立しない・先日、原稿を書いているところに、今年帥歳になるという読者から電話がかかってきた。 RAV4に乗っているのだが、T社がフロアパネルから新しく設計した、エンジン横置きの24級RVoRAV4は登場と同時に、世界中で大人気となり、日本でも最盛期には月に1万台のペースで売れた。
RAV4のディメンションは、全長3695m、全幅1695m、全高1655ホイールベース2200mというロングホイールベースの5ドア版の2種。 RAV4に5ドア仕様があるのは、アメリカ輸出のためだ。
アメリカでは、3ドア仕様はトラック扱いとなるため、関税が高くなってしまう。 それは日本のライトトラック締め出し作戦なのである。
そこで、税率逃れのために5ドア版をつくり、乗用車として輸出しているのである。 私はRAV4は3ドアのほうがその目的に似合ったデザインだと思う。
ゼンマイのオモチャ、チョロQのような寸詰まりのスタイルである。 しかし、これはとても可愛らしく、魅力的だ。

私はT社車のデザインはあまり好きなほうではないが、このクルマだけはうまいと認める。 RAV4はフランスあたりでは大人気で、お金持ちがこぞって乗っている。
ことによると欠陥車じゃないだろうかという質問である。 1万数千を走ったところでクラッチがダメになって、オーバーホールに70万円の請求書が来たというのだ。
60歳というお歳である。 まず私は彼の技量を疑った。
クラッチは損耗部品で、運転しだいでは半日で壊れてしまう。 その気になれば、私は数分で壊すことができる。
そこで、「失礼ながら、以前は何に乗ってらっしゃいましたか」と聞くと、マニュアルのジムニーに年間乗っていたという。 それなら彼の運転の責任ではないことがまずわかる。
RAV4のようなエンジン横置きFFベースのフルタイム4駆は、エスクードのような縦置きレイアウトと違ってクラッチに負担がかかりがちだ。 問題はそのへんにありそうだ。
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